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ボーカロイド曲をどう歌いこなすか  


新型コロナウイルス一色になってしまった2021年上半期、すっかりブログも久しぶりになってしまいました。
夏らしいこともできず、なかなかストレスがたまる中、スマホアプリのカラオケで発散する方も多いかもしれません。

ここ数年はずいぶんボーカロイド曲の人気が高まっていますが、得にこの1~2年ほどはさらにそこからうまい歌い手さんとPさん(作曲者さん)のコラボなど、幅が広がってきたように思います。
そしていままでは一定のファン層の中で楽しまれてきたものが、世間に広く浸透しているのも実感します。

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さて、ボーカロイドとはもともと機械音声に歌わせることが目的で作られているので、人間が歌うにはなかなか難しいものが存在します。

・音域が広すぎる/跳躍に無理がある
・息継ぎがない
・テンポが早く歌詞が詰まっていて発音が困難

上記は一例ですが、生徒さんが歌いにくいとおっしゃる曲には、こういった理由が多いです。
ボカロ曲だからしょうがない、といってしまえばそれまでです。
でも、機械音声のために作られた曲を人間が抑揚、感情を込めて歌い上げたときのかっこよさは何にも代えがたいものがあると思います。

では、上記問題をどのように解決していけばいいのでしょうか。
私のレッスンでは、

①まず息を吸えるところを可視化する
②吸えるところを作っていく
③出ない音を確認し、メロディをアレンジする
④歌詞の発音を端折る


このような対策を取っています。
大前提として、「かっこよく歌いこなす」ことを目的としているので、「完璧にボカロをコピーしたい」という方には納得してもらえないかもしれません。
また、「あの歌い手さんと同じように歌いたい」という方も多いのですが、RECで息継ぎを気にせず切り貼りするのと、カラオケで一曲通して歌うのは違うので、歌ってみた動画と全く同じようにするのも難しい場合があります。
(もちろん、人によってワンフレーズで使う息の量も、一度に吸える息の量やコントロールの技術も違います)

それでは、順番にどう見ていくかご説明していきます。


①まず息を吸えるところを可視化する



単純なようで大切です。
「足りなくなったら吸う」という感覚で歌っていると、気づいた時には次のブレスがだいぶ先…というのは、ボカロ曲でなくてもよくあるケースです。
ブレスは「足りなくなる前に補充しながら歌う」を意識するとうまく循環します。

ボカロ曲ではとくにこの意識が役に立ちます。
歌詞を印刷ないしは手書きし、実際に口ずさんで息を吸う余裕がありそうなところにマークをつけていきます。
次にそのマークで吸うように意識しながら歌ってみて、どの位置でブレスが足りなくなるか把握していきましょう。


②吸えるところを作っていく



歌いにくいな、息が苦しいな、と思っていた時、単純に循環がうまく行っていないだけであれば、①で解決します。
もしそれでも物理的に難しい場所があれば、息継ぎを増やしていく必要が出てきます。

例えばAメロとBメロの間の息継ぎがゼロだったとして、Aメロの終わりを短くできないか、Bメロのはじめを少し後ろに倒せないか…など、メロディのリズムを変えて対応します。

すこし作曲のテクニックが必要なので、なれるまでは難しいかもしれませんが、息継ぎを確保する方法としてとても有効です。
本家とは変わってしまいますが、息も絶え絶えにうたった完コピよりは、かっこよく歌い上げたカバーのほうがきっと満足度も評価も高いはずです。


③出ない音を確認し、メロディをアレンジする



これもすこし作曲の要素があります。
ボカロ曲に「人間の出せない音」があるのは決して珍しいことではありません。
中にはそういった高音を得意としている歌い手さんもいるかもしれませんが、レコーディング音源ではいくらでもピッチ修正が可能な時代であることを考えると、無理にそこを目指すことがかっこいい歌いこなしにつながるとは限りません。

おおよそ人間では出ない音を無理に出そうとするよりも、どんなアレンジができるのか…どんな声で歌うのか、どんなニュアンスをつけるのか…
それが機械音声でも、ピッチ修正でもなく、生身の人間から生み出せる「音楽」そのもので、ボカロ時代の楽しみ方でもあると感じています。

まずはその「出ない音」を含むフレーズをオクターブ下、オクターブ上にすることから挑戦してみてください。
長いフレーズだったら途中からにしたり、その音そのものだけでもいいかもしれません。

慣れてきたら、その高音や低音付近のメロディを全く変えてしまうのも面白いです。
誰かのコピーではなく自分の表現を混ぜて歌いこなせる第一歩になります。


④歌詞の発音を端折る



テンポが早い、歌詞がつまっているなど、歌詞の発音が困難な場合です。

ボーカロイドは機械音声です。ほとんどの日本語で歌わせた場合、必ず子音と母音がセットになっています。
例えば、「愛してる」「僕たち」など歌詞に頻出する言葉で見ていきますが、どちらもローマ字表記にすると

A I Shi Te Ru

Bo Ku Ta Chi

となります。この時大文字にしてあるのが子音(声をカ行、サ行などに分類する口の動作)、小文字にしてあるのが母音(実際に声として聞こえる音)です。

しかし、実際にこれらを喋り言葉として発声してみると、

A I Sh Te Ru

Bo K Ta Chi

赤文字にしたところは、実は会話などの口語では子音しか発音されていません。
子音だけ発音できていればその単語として聞き取れる音なのです。
ボカロでは、こういうところにも母音がつけられているので、そのまま真似しようとすると舌が回らなかったり、歌えたとしても棒読みっぽく聞こえてしまったりします。

そういう単語をチェックしていくことで、難しかった歌詞が少し楽になります。
「歌だからといって特別な発音をしようとせず、口語で発音しない音を端折る」と意識していきます。

青で示したChiなどは、歌詞のつまり方によっては端折れる母音です。
また、赤でしめした「Ku」なども、ここで音が伸びている場合は端折れません。

最初は判断が難しいかもしれません。
フレーズにメロディーをつけずに喋るように何度もぶつぶつ口ずさんで、ぜひ見つける練習をしてみてください。


 ボカロ曲を歌いこなす



今回はボカロ曲の歌いこなしについてお話しました。
歌っていて気になる要素が一つでも当てはまったら、ぜひ試してみてください。
どうしても迷ってしまったときは、レッスンでもお手伝いしています。

人間が歌うことを想定していない曲に挑戦していくというのは、新しい音楽の楽しみ方のひとつだと思います。


Posted on 2021/08/24 Tue. 16:41 [edit]

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